« 2010年1 月 | メイン | 2010年4 月 »
モノを買うことは楽しく、モノを売ることはもっと楽しい。小売店は、買う楽しみと売る楽しみの双方を追求する場です。私は、買う空間・売る空間を独自に設計して、消費者が楽しく納得のいく買物が出来る空間を提供することが、小売店の役割だと考えています。そのために、小売店は、ストアコンセプトを定め、それに従って品揃え、接客、店舗内装、プロモーションなどを組み合わせて考えていく必要があります。
小売業界は、1970年代迄は百貨店の時代、1980年代は総合品ぞろえスーパー(以下、GMS)の時代、1990年代以降は、コンビニエンスストア(以下、CVS)の時代と言われてきました。そのCVSも、2000年代後半になり、既存店売上高が頭打ちで、成長が鈍化している状態です。2000年代後半は、アパレル業界のSPAのように、製造から小売までを強力にコントロールできる(サプライチェーンマネジメントを実行できる)小売業が、堅調に推移しています。
近年、消費者の個性化やライフスタイルの多様化に伴い、消費シーンやニーズの多様化が進んできていると言われています。また、ニーズの短絡化が進み、商品のライフサイクルが短くなっていると言われています。皆さんも実感しているのではないでしょうか?それらの外部環境の変化に対応するために、小売店も店頭で消費者ニーズを捉え、店舗戦略に取り入れていく必要があると言われています。そのために必要になるのが、店頭で情報を収集する能力と、収集した情報を活用する能力です。顧客ニーズを正確・迅速に捉えて、商品政策・店舗設計・レイアウト設計・プロモーション計画などに反映させることで、顧客支持を得られると考えられるからです。この考え方は、小売業界でも久しく議論の中心にあるのですが、仕組みとして実践できている企業は少数ではないでしょうか。
店頭で情報を収集する能力は、情報収集の仕組み構築、販売員の能力向上、データ管理方法の徹底など様々な切り口で考えられます。一方で、収集した情報を活用する能力にも、販売員への権限移譲、販売員の能力向上、データ活用方法の徹底など、様々な視点があります。更に、ベースとしてチャネルをコントロールする力や情報化が必要になります。これらの要素は、大規模小売業だけに当てはまると考えられがちですが、中小小売業も同様に当てはまる要素だと思います。
このブログでは、いま挙げた論点も含めて「店頭の情報を収集する能力」「店頭で得た情報を活用する能力」を幅広く考えながら、結果的に小売業界を進化させる方向性や方法を探ってみたいと思います。具体的には、毎回、不況下にあっても成長を続けている小売業の独自の取り組みを考察していきたいと思います。
岩瀬敦智
自分は以前、WEBサイト制作会社に8年間勤めていました。
そこでは、WEBサイト制作の飛び込み営業から企画提案、プレゼン、ディレクション、公開後の運用という最上流から最下流までを幅広く行っていました。そんな自分が、この業界にいて思っていたことや今後どうなっていくかを考えて記事にしていきたいと思います。まず第一回は、WEB制作業界の構造について書いてみたいと思います。
インターネット業界やコンテンツ業界の業界本というのは見かけることはあるのですが、WEBサイト制作会社のみにフォーカスした本はあまり見かけない気がします。業界本に載っていたとしても、インターネット広告関連でCCI、DAC、サイバーエージェント、セプテーニ、オプトなどの会社が載っているぐらいかと思います。一昔前には、コンサルティング業界を紹介する本に「SIPS」というかたちで、ネットイヤーなどが載っていたのを見かけたこともありましたが、今はそういう書き方をしている本は見かけません。ちなみに「SIPS」に関しては、次回以降どこかで記事にしていこうと思っています。
確かに『WEB制作会社総覧』、『WEB制作会社年鑑』、『WEB FLASH』などという本があり、WEB制作会社が多数紹介されていますが、業界の状況がどうなるかを書いているものではないです。実態は制作会社の単なる広告といった感じです。1ページいくらか忘れましたが、前職の会社でも掲載していることがありました・・・。
そういったことからも、WEBサイト制作会社の業界構造は、知っている人は知っているけど、知らない人はほとんど知らないというのが現実かと思います。
WEBサイト制作業界の構造は、一言でいうと、情報サービス業界や建設業界とそっくりです。
情報サービス業界の構造は、情報システムの企画・構築・運用を一貫して行う「SI(システムインテグレーター)」が「元請け」として企業や官庁から受注した仕事を、「ソフトハウス」などの2次請け、3次請けが「下請け」として開発を行うという図式になっています。また、建設業界の構造も、土木・建設両方の工事を手掛け、工事の計画から施工管理までを行う「ゼネコン(ゼネラルコンストラクター=総合建設業)」が「元請け」として受注した仕事を、中小の建設業者が「下請け」する図式になっています。要するに、一部の大手が存在し、その下に無数の中小企業がいるというピラミッド構造になっています。
そして、WEBサイト制作業界も、大枠で見ると、大手のWEB制作会社や広告代理店が「元請け」として受注した仕事を、中小のWEBサイト制作会社が「下請け」する図式になっていると言えます。
ですが、今、この形が変わりだすかもしれないです。もしかしたら、もう変わりだしているかもしれません。そこには、他の業界とは違ったWEBの特性や発注する側の状況などが絡んでいると考えられます。
次回は、そのあたりを考えていきたいと思います。 by イッシー
ユニクロも後継者には悩んでいる
株式会社ファーストリテイリング柳井会長兼社長は2009年10月26日の日経フォーラム(世界経営者会議)講演で同社が抱える最大の課題として「後継者育成」を挙げた。かつて、玉塚氏(現・株式会社リヴァンプ代表取締役)に社長の座を譲ったものの、再度社長に返り咲かねばならなくなった苦い経験からもその苦悩は読み取れる。しかしながら、柳井会長兼社長よりも悩んでいる人々が日本の中小企業の経営者達である。
企業経営とは、「永続的発展を目指す企業」を「生命体としての存続し続けることに限界を持った人間」がかじ取りをして運営していくものである。経営者はどんなにバイタリティがあり有能であっても、いずれ交代する必要性に迫られる。経営者は後継者に経営のバトンを円滑に譲り、この過程を円滑に繰り返すことで、企業のゴーイングコンサーンを達成していくことになる。しかし、これはあくまで所有と経営の分離が明確になされている大企業のみが達成しうる話なのである。
中小企業の事業承継が進まない訳
つまり、大企業は所有と経営が分離している為に所有(株主)、経営(経営者)はそれぞれ別々に手続きして引き継ぐことができる。株主が変われば株主変更の手続きをすれば良く、経営者が変われば代表者変更手続きをすれば良い、冒頭のファーストリテイリングの話は後者の話である。しかし、中小企業においては所有と経営が分離していないオーナー企業がほとんどである。したがって、経営者が変わると同時に、所有者(株主)の名義も変わる、その結果、相続の手続きも同時に行う必要が出来てくる。これにより、個人のデリケートな部分にまで話が及んできて非常に複雑な問題となる。これが、中小企業の事業承継が円滑に進まない理由の経営学的な説明である。
そして、さらに中小企業の事業承継の円滑化を阻害している要因は法律、税制的に関連法制度が中小企業に使い勝手が悪いということである。内容についても非常に複雑且つ専門性が高いため容易に相談できる相手がいない。なかなか、この分野までをきちんと相談に乗り、最適なソリューションを提供できる税理士や専門家は非常に少ない。そして結果的にいざ経営者交代という時にエイヤーと事務的な手続きのみで事業承継を相続対策の一環の様に行ってしまう。
後継者を育成することに真剣に向き合うことが大切
つまり、何を言いたいかというと日本の中小企業における事業承継対策とは、大企業で言う株主の変更手続き(自社株をどうするか、誰に株を少ない相続税で引き継ぐか等)対策が議論の中心であり、本来されるべきはずの後継経営者の育成にはほとんど無頓着な経営者が多いということである。冒頭の話に戻るが後継者を育てる為に、柳井社長兼会長は「世界の優れた経営コンサルタントや大学と提携しながら経営者を育成していきたい」と述べている。つまり、後継者を育てるにはそれだけ努力をしなければ育成は出来ないのである。
中小企業の取りうるべき後継者育成の事例
ここで実際に訪問した企業の後継者育成の事例をご紹介したい。地方の中堅企業(菓子製造小売業・従業員約640人・パートアルバイト含む)では31歳の後継者に対して経営企画部長の役職を与えるとともに、実際に将来の幹部候補生を週に一度集め、新商品の開発について全権限を与えてプロジェクトチームを組織している。これは正に、将来を見据えた疑似役員会と言える。つまり、若いうちから後継者およびその右腕たる人材に権限を持たせ会社の意思決定について範囲を定めて移譲している。後継者は今から将来を想定して、意思決定を訓練出来る。
さらに従業員との間には信頼関係が生じる。後継者育成、人材育成の観点から見ても非常に効果的な取り組みだと思われる。中小企業にはファーストリテイリングの様に世界的なコンサルタントを呼んで後継者教育を行うお金もなければ時間もない。しかし、考え方や努力次第でその企業に最適な後継者育成の方法が必ずある。
後継者育成は待ったなし
中小企業経営者の平均年齢は年々上昇をし続けている。帝国データバンクの調査によると60歳に迫りつつある。60歳になると一気に成人男性の生存率は低下し始める。先ほど述べた「生命体としての限界」が迫りつつある。ある中小企業に対してのアンケート調査によると中小企業で規模が小さければ小さいほど、業績が良好でも廃業する企業が多いとの結果が出ている。これは中小企業に蓄積された技術力や人材などの貴重な資源が将来にわたって毀損するリスクを含んでいることを表している。
そのためにも中小企業の後継者を育成し事業を円滑に引き継ぐことは、日本の社会にとって急務な課題だといても過言ではない。ただ、その具体的手法や解決スキームを中小企業に提供できる支援機関、支援会社は少ない。そして中小企業経営者は漠然とした不安を先送りすることで日々の経営活動に奔走している。この待ったなしの課題をどう解決するかについて、ここでは具体的解決策を述べる。さらに、激変する経営環境の中、今後求められる経営者に必要な資質、能力について検討していく。
水沼 啓幸
前回は、プロジェクト型チーム制組織と“自立”について考えたので、もう一つの“自律”とプロジェクト型チーム制組織について整理してみます。
プロジェクトチーム型チーム制組織では、組織の構成員の自律(autonomy)も、自立(independence)同様に重要である。
プロジェクト型チーム制組織であるとしても、長(上司)が存在する。そして、長がすべてを判断できるということは、不可能であり現実的ではなない。中には、性格なのか、非常に細かいことまで報告を求めている管理者がいるが、仕事の生産性や部下のモチベーションを下げているケースも多々見受けられる。
むしろ、メンバー(部下)の自主性や自発的な行動の発揮が求められるし、時には、長(上司)と意見が衝突しても、しっかりとした主張を持って行動することにより、大きな成果に繋がっていく。
自律するためにどうすればいいのか?
組織論の専門書を見ると難しく書いてあるが、ほとんどのことは、サッカーで説明できると思う。中村俊介が横浜マリノスに久しぶりに復帰したこともあり、サッカーで考え見たいと思う。
自律には、内発的動機付けが重要?
外発的動機付けが、外からのリワード(報酬、昇格、褒める、叱る等)であるのに対して、内発的動機付けは、自己決定できたりすることにより内面から動機付けされるとしている。重要ではあると思うが、組織の目標との関わりをどう考えたらいいのだろうか?サッカー小僧は、昔からサッカーそのものが好きでたまらないのである。しかし、それだけでは十分ではない。
組織コミットメント理論は有効?
当然、組織が一体となって、取り組んでいくことは大切なことである。当然、バラバラであっていいわけがない。しかし、組織が間違った方向にコミットメントした場合、どのように修正するのであろうか?かし、相手があることである。相手が作戦を変えてきたのに、ワンパターンでコミットメントしても仕方がない。サッカーで言えば、間違ったシフトに固執してしまうと柔軟性が無くなる。
サッカーの試合であれば、相手の出方次第で柔軟に、自分の動きを修正しなければならない。敵と見方の動きを見て即座に判断し、「パスをするのか?ゴールにいきなり蹴り込むのか?」を決めている。サッカー日本代表であれば、他の選手がパスを渡す際に、いちいち中村俊輔に確認しないだろう。
そして、時には、中村俊輔と他の選手が意見が合わなかったり、間合いが取れなかったりすることはあるだろう。チームの目標に、真剣に向かっていけば、当然、ぶつかる局面も出てきて然るべしだ。
つまり、組織における自律的な行動とは、組織の大きな方向性の中で、最終目標に向かって、周りの状況を敏感にキャッチしながら、自分自身の与えられた役割を中心に、自分で考え、行動し、成果に繋げる行動である。
企業組織であれば、トップ方針にそって、後は、まさに「自律的な行動」により、各組織の構成員は、目の前の仕事に邁進することである。
組織の構成員の行動が、本当に、最終目的に、繋がっている自律的な行動であるかをしっかりと見極めなくてはならない。単に、やる気がある。積極的であるといったレベルではないのである。
最近のコメント