大手コンピュータソフトウエア会社の戦略思考を高めるための研修を長年に渡り担当した。内容は、ライティングされたケースではなく、実際の自社のケースでの検討である。しかし、本当に難しい内容であるので、今日は、戦略策定についての方法について考えてみたいと思います。(・∀・)つ
戦略についての定義も様々だ。具体的な内容については、あまりにも多いので、専門書に譲ることにするが、一橋大学院 伊丹教授の定義だけ、引用すると、
定義1.市場の中で組織としての活動の長期的設計図
定義2.企業や事業の将来のあるべき姿と、そこに至るまでの変革シナリオ
つまり、キーワードは、長期的であり、変革のシナリオである。
もともと、戦略については、どこまでが戦略で、どこまでが戦術か?の境目が難しいだけでなく、企業戦略、事業戦略、機能別戦略等としっかりと整理して検討しないと混乱する。
更に、既に古典的とも言われる1980年初期のマイケルポーターの戦略論を皮切りに、戦略論そのものも多岐に渡り、どれがいいのか正直迷ってしまう。
ちょうど、約10年前ビジネススクールに通っていた頃、自分自身も整理したかったので、戦略についての文献を読み漁ったことがある。
そして、当時、レポートにまとめたのが、「戦略ヤフー論で」ある。今だったら、「戦略グーグル論」の方がピンとくるかも知れない。基本的な考え方は、組織の条件適合理論(ローレンスロッシュ)と同じだ。環境その他の状況によって、どのような組織形態を取ったらいいのかが決まるというものである。戦略検討の切り口もその組織を取り巻く諸条件により、どれが良い悪いではなく、選ぶ必要があるといった内容だ。
オープンシステムプランニング(環境~戦略)ポジショニングアプローチ
組織の強み(コア・コンピタンス)から戦略を導くもの資源論的アプローチ
ゲーム論、学習論 シナリオプランニング 他、数えきれない。
※詳しくは、ミンツバーグ、戦略サファリが分かりやすく書いてある。
そんな中で、最近、当初考えてきたことと近い書籍が多く出るようになってきた。状況の切り口を不確実性にしている。業種業界によって、環境変化のスピードも異なるし、偶発的な出来事がおきる確率も異なるだろう。それに応じて、戦略を検討する切り口を当てはめなくては実態に合わないといったことだ。
10年前に考えていたことが、ようやく5年程前から、同様な本がでる。私が考えていたことは、たぶん多くの人が、当時、既に考えていたと思うが、本になるには、タイムラグがあると感じる。
現在、実際に自分で、起業を起こそうと活動していて、実際は、スタティック(静的)に考え、大きな構想を持つことの重要性と、ダイナミック(動的)創発的な要素の両方が必要だといったことを、実感する。同様に起業した友人の会社を見ていても、創発的なだけでは、現状の延長線上でイノベーションが限定的になりやすい。しかし、ポジションや資源を考えても、大きな環境変化があると、注力した力は無駄になってしまうし、実際、なかなかその通りにはならないことが圧倒的だ。
そういった意味で、本での勉強も大事だが、いかに現場で見たり聞いたり感じたりすることが大切かを改めて感じているところです。(⌒∇⌒)
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