前回は、プロジェクト型チーム制組織と“自立”について考えたので、もう一つの“自律”とプロジェクト型チーム制組織について整理してみます。
プロジェクトチーム型チーム制組織では、組織の構成員の自律(autonomy)も、自立(independence)同様に重要である。
プロジェクト型チーム制組織であるとしても、長(上司)が存在する。そして、長がすべてを判断できるということは、不可能であり現実的ではなない。中には、性格なのか、非常に細かいことまで報告を求めている管理者がいるが、仕事の生産性や部下のモチベーションを下げているケースも多々見受けられる。
むしろ、メンバー(部下)の自主性や自発的な行動の発揮が求められるし、時には、長(上司)と意見が衝突しても、しっかりとした主張を持って行動することにより、大きな成果に繋がっていく。
自律するためにどうすればいいのか?
組織論の専門書を見ると難しく書いてあるが、ほとんどのことは、サッカーで説明できると思う。中村俊介が横浜マリノスに久しぶりに復帰したこともあり、サッカーで考え見たいと思う。
自律には、内発的動機付けが重要?
外発的動機付けが、外からのリワード(報酬、昇格、褒める、叱る等)であるのに対して、内発的動機付けは、自己決定できたりすることにより内面から動機付けされるとしている。重要ではあると思うが、組織の目標との関わりをどう考えたらいいのだろうか?サッカー小僧は、昔からサッカーそのものが好きでたまらないのである。しかし、それだけでは十分ではない。
組織コミットメント理論は有効?
当然、組織が一体となって、取り組んでいくことは大切なことである。当然、バラバラであっていいわけがない。しかし、組織が間違った方向にコミットメントした場合、どのように修正するのであろうか?かし、相手があることである。相手が作戦を変えてきたのに、ワンパターンでコミットメントしても仕方がない。サッカーで言えば、間違ったシフトに固執してしまうと柔軟性が無くなる。
サッカーの試合であれば、相手の出方次第で柔軟に、自分の動きを修正しなければならない。敵と見方の動きを見て即座に判断し、「パスをするのか?ゴールにいきなり蹴り込むのか?」を決めている。サッカー日本代表であれば、他の選手がパスを渡す際に、いちいち中村俊輔に確認しないだろう。
そして、時には、中村俊輔と他の選手が意見が合わなかったり、間合いが取れなかったりすることはあるだろう。チームの目標に、真剣に向かっていけば、当然、ぶつかる局面も出てきて然るべしだ。
つまり、組織における自律的な行動とは、組織の大きな方向性の中で、最終目標に向かって、周りの状況を敏感にキャッチしながら、自分自身の与えられた役割を中心に、自分で考え、行動し、成果に繋げる行動である。
企業組織であれば、トップ方針にそって、後は、まさに「自律的な行動」により、各組織の構成員は、目の前の仕事に邁進することである。
組織の構成員の行動が、本当に、最終目的に、繋がっている自律的な行動であるかをしっかりと見極めなくてはならない。単に、やる気がある。積極的であるといったレベルではないのである。
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