自分は以前、WEBサイト制作会社に8年間勤めていました。
そこでは、WEBサイト制作の飛び込み営業から企画提案、プレゼン、ディレクション、公開後の運用という最上流から最下流までを幅広く行っていました。そんな自分が、この業界にいて思っていたことや今後どうなっていくかを考えて記事にしていきたいと思います。まず第一回は、WEB制作業界の構造について書いてみたいと思います。
インターネット業界やコンテンツ業界の業界本というのは見かけることはあるのですが、WEBサイト制作会社のみにフォーカスした本はあまり見かけない気がします。業界本に載っていたとしても、インターネット広告関連でCCI、DAC、サイバーエージェント、セプテーニ、オプトなどの会社が載っているぐらいかと思います。一昔前には、コンサルティング業界を紹介する本に「SIPS」というかたちで、ネットイヤーなどが載っていたのを見かけたこともありましたが、今はそういう書き方をしている本は見かけません。ちなみに「SIPS」に関しては、次回以降どこかで記事にしていこうと思っています。
確かに『WEB制作会社総覧』、『WEB制作会社年鑑』、『WEB FLASH』などという本があり、WEB制作会社が多数紹介されていますが、業界の状況がどうなるかを書いているものではないです。実態は制作会社の単なる広告といった感じです。1ページいくらか忘れましたが、前職の会社でも掲載していることがありました・・・。
そういったことからも、WEBサイト制作会社の業界構造は、知っている人は知っているけど、知らない人はほとんど知らないというのが現実かと思います。
WEBサイト制作業界の構造は、一言でいうと、情報サービス業界や建設業界とそっくりです。
情報サービス業界の構造は、情報システムの企画・構築・運用を一貫して行う「SI(システムインテグレーター)」が「元請け」として企業や官庁から受注した仕事を、「ソフトハウス」などの2次請け、3次請けが「下請け」として開発を行うという図式になっています。また、建設業界の構造も、土木・建設両方の工事を手掛け、工事の計画から施工管理までを行う「ゼネコン(ゼネラルコンストラクター=総合建設業)」が「元請け」として受注した仕事を、中小の建設業者が「下請け」する図式になっています。要するに、一部の大手が存在し、その下に無数の中小企業がいるというピラミッド構造になっています。
そして、WEBサイト制作業界も、大枠で見ると、大手のWEB制作会社や広告代理店が「元請け」として受注した仕事を、中小のWEBサイト制作会社が「下請け」する図式になっていると言えます。
ですが、今、この形が変わりだすかもしれないです。もしかしたら、もう変わりだしているかもしれません。そこには、他の業界とは違ったWEBの特性や発注する側の状況などが絡んでいると考えられます。
次回は、そのあたりを考えていきたいと思います。 by イッシー
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