多くの企業で、経営者が口にすることとして必ず定番で出てくるのが、「コミュニケーションが重要だ!メンバーとのコミュニケーションが不足していた・・」という話である。ということで、今日は、組織活動におけるコミュニケーションについて、考えてみたいと思います。
組織や集団が、共通の目標に向かって取り組んでいくには、組織の構成員の考え方や意思を相互に確認し、行動を調整しながら協働していくことになる。各人がバラバラにやっていたのでは、いくら良かれと思って取り組んでも、組織や集団としての一貫性のある活動にはならない。組織活動では、お互いの非言語も含むコミュニケーションにより、相互調整することになる。
何故、コミュニケーションが重要なのだろう?
1つには、意味情報の共有化である。
組織の構成員は、社長や管理職、新入社員に限らず、誰一人、組織の全てのことを把握することはできない。例えば、外部環境の情報についても、「あるお客様については、担当営業はよく知っているが、製造担当は、直接会ったことがないのでわからない。」といった事を完全に埋められないので、部門を越えてお互いにコミュニケーションを図り、共通の設計図を描き、問題解決に当たる必要がある。その際、コミュニケーションによって、互いに意味情報を交換し、価値が確認できることにより、的確な行動を取ることができるのである。
意味情報の共有化が何故必要かといえば、問題解決し易くなるからである。
AさんがBさんに、自部門のことを話す。しかし、全部を理解することでできないので、BさんはAさんに質問をする。Aさんは、説明した内容を、分かりにくかったのではないかと瞬時に考える。やがて、お互いの状況がわかるようになり、自分がやった方がいいことは何か?相手がやった方がいいことは何か?と考え、役割分担がなされたりする。
こうしたコミュニケーションが、2人だけでなく複数の人と階層間や部門間を越えて行われることにより、問題発見と解決される確率が上がっていくことは、容易に想像できる。
不確実性が高い環境変化の中では、日々発生する問題や、或いは、問題意識を高めることによって意識される課題に当たらなくてはならない。つまり、問題解決能力の向上が必要とされる。そして、問題解決能力を高める上で、コミュニケーションは不可欠であり、自ら他者に働きかけるといった“自律した行動”が求められる。だから“自律”がキーワードなのである。
企業の実務家は、認知心理学者のように体系的に話す訳ではないが、直観的のコミュニケーションの重要性を理解していて、冒頭のような言葉になって現れるのだろう。(⌒∇⌒)
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