前回は、ネットワーク社会から派生するリーダーシップ・マネジメントの観点から考えたので、今日は、組織の形態について考えてみたいと思います。
「ウィキペディア」は、インターネット上の無料辞書で、私も「お気に入り」に入れていつも活用させていただいている共同制作型の百貨辞典である。専従の編集者は5人だけで、何万人もの一般ユーザーがボランティアで参加することによって出来上がっているのは、有名である。
英語版での項目数230万項目(ちなみにブルタニカ百科事典13万項目)
日本版での項目数50万項目(ちなみに広辞苑23万項目)
をはじめ、全世界250言語のサイトが運営されている。
そして、こうした組織の形態を「ウィキ型組織」と言われ、現在では、当たり前に利用している人が多いと思うが、知人のICT系のコンサルタントから、様々なことを教えてくれた。
今に始まったことではなく、もう、15年以上前、リナース・トーバルスが、オープンイノベーションとして、商用に耐えうるリナックスを完成させてしまったリナックスも、ウィキペディア同様に、無料でボランティアでバージョンアップを重ねている。
何故、こうしたことが、可能であるかと言えば、インターネット環境の進展がある。特に、「知」に関しては、場所と時間を越えてバリアフリーである。最近、システム開発を、オフシェアでインドでやっていたりするが、本当に働き方が変わったと思う。東京で頼むWebサイト構築のコーディングといった作業については、サイト構築会社をやっている友人に聞くと、東京で4万円/1日の単価は、バングラディッシュでは100円/1日であり、その差の大きさにビックリする。
全ての業種・業態が、ウィキ型なるとは思わないが、オープンネットワークの要素が仕事に多かれ少なかれ入ってくるだろう。そして、その方が、あきらかに、従来の工業化社会を前提に出来上がった組織の中での仕事の進め方よりも、効果性が高く且つ低コストである。
ちなみに、私の知人に、「コンサルタント業界でウィキ型を採用しているところを知っている?」と尋ねたら、直に、アメリカのコンサルタント会社べリングポイントのウイキ型組織の記事を送ってくれた。この方は、アメリカのMBAもとられているので、海外の情報にも詳しく、本当に幅広い考え方を教えてくれる。感謝します。但し、英語なので、「読むのは大変だな~」と、やはり別の組織の御同業のコンサルタントとメールでやりとりしていたら、「いい同時翻訳ソフトがあるから、心配しないで」と教えてくれた。やはり、組織を越えると問題解決は早い。
すでに、情報システムといった業界だけでなく、無印など、新商品開発に活用するなど、メーカーであっても、ユーザーイノベーション的に、運営されているところも多い。
新しい時代への生まれ変わりでは、多くの機会が創出される。早稲田大学の山田英夫教授の研究で、先行優位か、後発優位かといった研究もあるが、この新しい流れが、どちらだろうか?多分、私は、先行優位であると予測する。後発優位の場合、簡単に模倣できるといったことを挙げられるが、メルマガコンサルタントの平野友朗さんをはじめ、初期の段階で、はじめた人は、多くのアドレスといった財産を獲得して、今も恩恵を受けている。やり方は、模倣されてしまっても、集めた無形資産の価値は大きい。
しかし、新しい組織形態は、ネットワーク組織と簡単に言うが、その運営についての研究は、いくつか論文や書籍も出ているが、これからだろ?しかし、試行錯誤は避けられない。今年は、実際に、組織運営を試みてみたいと思う。
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