前回、プロジェクト型チーム制組織が機能する上で、組織の構成員と切り離して考えられないといったことを書いた。基本的には、組織の構成員一人一人の自立と自律が求められるが、「何となくわかったようなわからないような」といった感じもするので、少し整理してみます。
自立(independence)と自律(autonomy)の両方が使われるが、英和辞書で引くと違いがある。
自立(independence)
in(否定)+dependence(依存)。つまり、独立的であるという意味合い
自律(autonomy)
ギリシャ語autonomia(自立)より、auto(自身の)+nomy(…法)であり、自治権、自治体、自治団体、自由裁量権、自主性
以上、リーダースより抜粋
まず、今日は、自立(independence)について考えてみます。
独立的であるというのは、一人で自分の役割をしっかり果たせるプロフェッショナルであるということだ。
昔、現所属会社の当時のトップから聞いた話であるが、巨人~西武で、輝かしい実績を上げた広岡監督は、「野球は9人でやるものではない。野球は1人でやるという選手が、9人集まってプロ野球になる。最初から野球は9人でやると思っているのは草野球だ」と言っていたそうだ。
実際は、野球は9人でやるのであるが、一人でやるといった意識を持つことの重要性を言いたかったのだろう。
いずれにしても、野球なら9人、サッカーなら11人が、それぞれのポジションで、自立した役割が果たせることがチーム運営の前提である。基本的には、プロジェクト型チーム制は、役割が果たせるメンバーが招聘されているが、必ずしもベストメンバーが集まるとばかりではない。しかし、たとえスキル不足であったとしても、しっかりと役割が果たせるように自立していかなくてはならない。
しかし、自立していればいいかと言えばそうではない。組織やチームは、お互いの連携により成り立っている。必要な時には、相互援助しなければ、組織やチームでやっている意味がない。つまり、必要な時には、他者の力を借りることができる。或いは、他者に力を貸すことができることが重要だ。
こうした関係を「相互依存(innterdependence)」と言う。相互依存とは、安易な助け合いではなく、各自が自立しているとともに、共通の目標に向かって相互に力を貸しあえる関係のことを言う。
プロジェクト型チーム制組織において、相互依存(innterdependence)の関係で仕事をするためには、強い当事者意識と高い対人関係能力が不可欠となる。他の組織形態でも、相互依存(innterdependence)的な考え方は、重要であるが、プロジェクト型チーム制組織では、その重要性はさらに増し、「強い個人」が求められることになる。ますます、自分自身を磨かないと、役割を果たせない時代になった。
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