ベニハナトーキョーは、嶋口法政大学院教授が、ビジネスモデルのレクチャーや慶応ビジネススクールのケースで使われるレストランだ。ある年齢以上の方は、アメリカに渡り成功したロッキー青木が立ち上げたレストランでご存じの方も多いと思う。
お客様8人に囲まれたシェフが、オニオンのリンクを重ねて炎を上げたり、肉を刻んで飛ばしたりといったパフォーマンスで有名である。
基本コンセプトは、ショーと一緒に食事を提供していて、以下が高い利益率を誇る理由である。
1.待たされる間に利益率の高いドリンクを飲むバーがある。
2.少数の料理材料は肉とエビといったお客様が喜びそうなものに絞り込み食材費を節約する。
3.シェフがお客様の食事の時間を、コントロールする。
4.熟練した従業員は、シェフだけで済む。ウエイター等の少数で済むので人件費をおさえる。
5.シェフは、パフォーマンスに対するお客様からのチップが入る。 等
本当によくできた完成度が高いサービスデザインであり、ビジネスモデルである。
最近、ハワイでは、ベニハナトーキョーよりも、田中オブ東京の人気が高いとの話を聞いていたので、勉強と子供たちを喜ばせるために、予約を取って食事にいった。
基本的には、ベニハナトーキョーを模倣しており、サービスデザインはそっくりである。
それにしても、商魂たくましい!まずは、高いコースから、人気コースであると勧められ、アルコールを頼むと、おつまみの中から、「これが、人気があり美味しい」と提案される。次に、「各コースについているご飯は、各3.5ドル払えば、ガーリックチャーハンにできる。一度は食べてみて」とさらに提案される。日本であったら、ここまで提案されると、ちょっとうんざりだが、片言の日本語で提案され、ハワイの開放的な気分になっている時には腹も立たない。
7人のテーブルであったが、7人分の肉やエビを見せられると、確かにボリュームがあるように見えて、説明を聞いているだけでお腹がいっぱいになる。
そして、いよいよシェフのパフォーマンスが始まった。
シェフが行うパフォーマンスは、一緒だがサービス精神たっぷりで、「ハワイは何回目か?」「この店は初めてか?」といったように、次々と話しかけてくる。デザートが出て十分満足した後に、アンケートの記入をお願いされた。
熟練のシェフが必要であるため。模倣が難しいとされたベニハナモデルも、見事に模倣されている。模倣された後は、デザインされたサービスプロセスの品質管理の勝負になる。例えば、アンケート一つをとっても、その活用がどの位されて、改善につながっているかが大切だ。模倣も戦略の一つであるが、熱心に取り組み工夫しているところが、高い業績であることは変わらないと感じる。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。