ネット経営者がすべてとは言わないが、急成長して大金持ちになった経営者も多い。ネットの世界は二乗三乗といったマーケティング展開ができるために、ビジネスモデルを描き方によっては、スピード感を持っての展開が可能だ。数か月前に、あるきっかけで面談した某ローカルにあるネット販売の経営者もその一人で、わずか5年の間に年商は数十億である。そして、その方の紹介で、立ち上げの功労者で、現在は、独立している人と知り合って、定期的に情報交換をしている。
数回会って話すうちに、疑問が生じたので思いきって聞いてみた。
「上場を目の前にして、なぜ、会社を辞めたのかと・・」
すると、経営者だけが、一億円以上の年収を取り、フェラーリとベンツ2台を乗り回して、創業に近いメンバーでも従業員は年収200万円そこそこ。経営幹部のほとんどは、家族親戚で固め、家族親戚以外が役員になっても年収300万円と若干給料が上がるだけであるといったことを話してくれた。
ホリエンモンが、かつて、「自由経済の中で、お金を稼ぐのが何で悪い」と言い、「結局は、稼いだものが勝ち!」といった書籍まで出して話題になったことがあった。確かに、お金を稼ぐことは悪くない。そして、リスクを掛けて起業する経営者が、従業員と同じ年収では割が合わないだろう。但し、差がありすぎるはおかしいし、第一従業員への感謝が足りない。そうした経営が長く続くだろうか?
伊奈食品工業の塚越会長のお話を少し前にお聞きしたが、「家族で、企業を始めるときは、家族の所得は目的である。しかし、企業が大きくなって、従業員が入ってくると、その給料はコストになる。経営者の私欲を肥やすために、一生懸命働く社員はいない」とおっしゃっていた。
かつてのライブドアーがそうであったかどうかはわかない。しかし、冒頭で例に挙げた企業は、社員の退社も多く、地元でも、成功しているわりには、その経営者のことを良く言う人はいないという。
時間があると、社会的な評価が高い企業のトップへ会いに行く。直接、お会いし、お話を聞くことの価値は図りしれず、本当に勉強になる。そして、共通に言われるのが、「従業員満足」である。ビジネス上は、お客様満足が重要だが、経営者の仕事の多くは従業員のモチベーションを高めることだと言う方が多い。
ネクスト・マネジメント・ラボラトリーでは、新しい時代に合致したマネジメントを検討しているが、変えなくてはならないことばかりではない。変わらないものは何かを確認することも重要なテーマだ。そして、上記のような両極端のマネジメントを行っている経営者と会うと、変わらないもの、変えてはならないマネジメントは、「従業員満足」を追求であると、再確認させられる。
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