今夜は、私の現所属組織を既に退職している元同僚と、久し振りに食事をともにした。2人ともとっても元気で成長していて、私より一回り以上も若い後輩であるが話していて本当に勉強になり、ありがたい。2人は、何故、辞めたのだろう?私自身は、何故、今の会社に残っているのだろう?楽しいお喋りが終わって、帰宅への電車の中で考えた。( ̄∠  ̄ )ノ
ということで、今日は、何故、人は会社を辞めるのか?或いは辞めないのか?といったことを考えてみます。(。・ω・)ノ゙
社会学と社会心理学、行動科学で言われているのは、2つの側面である。
1つは、功利コミットメントである。
正確性より分かりやすさを優先して簡単に言うと、組織にいた方が得なことが多いということだ。
いくつか例を挙げると、
クレジット会社のカードを作るときに、勤続年数を書かされるが、長く勤めている方が、カードはつくりやすい。辞めて起業した友人が言っていたが、辞めてしまうのクレジットカードも作れなくなるから、企業の勤めている間に作っていた方がいいよ!とアドバイスをくれたことがある。
長年その会社で勤めた分だけ、仕事のやり方に慣れているが、新しい会社に移れば、1からルールその他を覚える必要があって面倒である。
私の勤めている会社では、自己退職は、退職金が半額になる。長く勤めていると結構大きな額になるので半額を失うのは大きい。といった経済的な面もある。
2つ目は、情緒的コミットメントである。
平たく言うと、損得とは関係なく、その組織に居るのが楽しくて魅力を感じるのである。
組織に対するロイヤリティーや愛着、誇り等である。又、自分自身の価値観と組織の価値観の合致度合も関係が深い。こうしたことが高いと、組織に居続けることになる。行動科学や社会心理学の分野で言われているのは、情緒的なコミットメントの方である。
当然、両面で総合的に考えて辞めるかどうかの意識決定をする。
功利的コミットメントは、住宅ローンを組んでしまったようなもので、やむを得なく組織にいる悪いイメージで、情緒的なコミットメントは、前向きな動機のようなイメージがあるが、実際は、生活がある訳で、情緒的なコミットメントだけが必ずいいとも言いけれない。民主党への政権交代の後、自民党離党し、多くの新党ができて話題になったが、同じような信条があっても同調しない議員がいるのは、選挙に自信がない議員とって不安であるからだと予想する。
では、情緒的なコミットメントが高い組織とは、どんな組織だろう?
まずは、仕事が面白いことだ。単調でなく多様性があり、自分で工夫できる。やらされるのではなく、自分に権限が与えられている。任せれることは、組織から信用され期待されているということなので、期待に応えるようするのは当然である。
組織文化、職場の雰囲気も関係する。
気が合い、何かあると相談できる仲間がいる。組織の理念や価値観が自分自身が共鳴できる。個人の自律を支援したり、革新的・実験的な文化程、仕事のおもしろさとも関係があるが、当然、情緒的コミットメントが高まる。
リーマンショック以前は、新しく採用した社員が辞めてしまうので、辞めないような研修ができないか?といった依頼が多かった。特にIT企業が多かったが、多額の採用費用を掛けても穴のあいたバケツ状態になっているという。書籍でも、若者は、なぜ3年で辞めるのか?といった類の題名の本が、たくさん出版されたのは、多くの企業で同様の悩みがあるからだろう。
そして、上記のような考え方を踏まえ、カリキュラムをデザインして実施したが、自分自身としてすっきりしなかった。なぜなら、研修で解決することが少なく、組織で解決しなければならない要因が多いからだ。実際、社会心理学や行動科学の理論に当てはめて、自分が所属している組織やお客様の組織を当てはめてみると、ほとんど当てはまる。
ということで、優秀な元同僚は、功利的にも情緒的にも、コミットメントを感じられなくなったから辞めたのだと思うし、私自身は、情緒的なコミットメントでは、お世話になった先輩もまだいたり、長く勤めている分、愛着もある。又、前述のように、功利的コミットメントの面も大きいので、まだ、勤めているのだと改めて思う。
しかし、功利的コミットメントだけに縛られて生きるのは悲しい。家族その他もあるので、総合的に考えて意思決定しないといけないが、どこかで状況を変えないと何も変わらない。意思決定は本当に難しいね・・・(⌒∇⌒)
キャリアで語る経営組織 --個人の論理と組織の論理 (有斐閣アルマ) 稲葉 祐之 井上 達彦 鈴木 竜太 山下 勝 有斐閣 2010-05-10 売り上げランキング : 74192 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最近のコメント