インタビューは、アンケートと違って職場の泥臭い内容や、居酒屋でしか出てこないような否定的な本音の意見も聞かれて、組織の実態が把握できる。1対1で個室に入りインタビューをすると、無理やり誘導している訳ではないが、否定的な意見も多く出てくるが、組織のリーダーシップに関する重要性を実感させられることになる。
当然、問題がない組織はないので当たり前であるが、インタビューでは、トップのリーダーシップについて迄、意見が及ぶことも多い。民主党の代表選も間近になったが、菅総理、小沢前幹事長のどちらのリーダーシップが、今後の日本にとって合致しているのかを、良く考えないといけない。
ということで、今日は、トップのリーダーシップについて考えてみたいと思います。(・∀・)つ
リーダーシップに限らず、コミュニケーションにおいても、どのような考え方・価値観・姿勢でいるかが重要だ!そうしたことが、行動に反映される。特に、企業の経営トップのリーダーシップは、テクニックではなく一人の人間としての資質が問われる。
ある企業のインタビューで出てきた内容は、その企業のトップが、自分と合わないと、優秀な管理者であっても、要職から外してしまうとのことであった。その企業のトップは、創業者ではなく、プロパーではあるが、ある程度、組織が大きくなってから入ってきている。そして、実績を上げて頭角を表したそうだ。そして、インタビューに応じてくれた幹部は、創業期からいるので、創業者の先代とは明らかに違うという意見であった。どこが違うのか?と、掘り下げて聞いてみると、先代は、従業員への感謝が根底にあったという。
何故、違うんでしょうね?と続いて聞いて、なるほどと納得したことがある。丸太小屋のような本社でスタートした創業当時は、できたての小さな会社にわざわざ来てくれる社員がありがたくて仕方がなかったそうだ。だから、来てくれた社員を大切にし期待もした。社員の方も、期待されるから一生懸命頑張ったという。
この話を聞いていて、昔、昭和の大経営者、松下幸之助さんの本を読んだとき、同様なことが書いてあったことを思い出した。町工場でスタートした幸之助さんは、初めて来てくれた社員がうれしくて仕方がなくて、その社員がいなくなってしまわないか?といつも心配で、仕事振りを蔭でのぞいては、いつも感謝していたといった話が出てくる。その時の思いを、何万人の会社になった際も、忘れることがなかったという。
ところが、組織が大きくなってからトップになると、どうしても、そうした思いを抱きにくいために、社員に感謝する気持ちが薄れてしまうのであろうか。そのために、簡単に気に入らない社員を外したり、最近、問題になっているように、安易にリストラしてしまうのかのしれない。(´-д-;`)
実は、組織にいると、当たり前のことであるが、誰かに依存しないと生きていくことはできない。新入社員で入った時は、先輩に仕事を教えてもらう。その際は、先輩に依存する。しかし、ある程度、仕事を覚えると独りで仕事ができるようになる。そして、更に、組織の中でキャリアを積むと、一人ではできない大きな仕事を任せられることになる。すると、今度は、部下に依存しないと仕事は完結しない。部下がしっかり仕事をこなしてくれなかったら、一人でできることは、限られている。
そういった意味では、経営者は、最も多くの社員に支えられていて、社員に依存していることになる。だから、感謝しなければならないのである。感謝がない形だけのリーダーシップでは、影響力は与えられない。ベテラン社員が辞めて初めて、支えられていたことを実感しても手遅れだ。つくづく経営リーダーシップは、人間性だと感じることが本当に多いですね。(⌒∇⌒)
松下幸之助パナソニック創業者がリーダーについて書かれた本は、たくさんありますが、一つ紹介します。
リーダーになる人に知っておいてほしいこと | |
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組織の中の相互依存関係を詳しく書かれた本としては1991年出版と古いが、神戸大の金井教授が書かれているので紹介します。
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