法人営業の魅力と特徴
法人営業の魅力とは?筆者自身、社会人として働き始めた際に、法人営業を志した経緯としては次の点がある。
1.大きい仕事(金額、規模)ができる
2.顧客により深く関わることができる
3.より高い専門性を身につけることができる
これらの動機については、周りの同期の法人営業部員においても、概ね同じだったという気がする。
しかし私が経験してきた法人営業は、ネットワークを含めたITシステムの構築、メーカーに対しての半導体等の部品供給の分野であり、法人営業と呼ばれる分野には、電力、ガス等のエネルギーの分野もあれば、工作機械、ロボットのような産業機械分野、事務用品や福利厚生施設等のような従業員が利用する製品やサービス等多岐に渡る。
そこで、次に、法人営業向けビジネスの特徴を消費者向けビジネスと比較してみようと思う。消費者向けビジネスと比較した法人向けビジネスの特徴とは、
1.買う側(モノによって異なるが、概ね購買部、総務部、情報システム部等が中心)の製品知識が豊富であること
2.購買意思決定に複数の人が関係していること
3.購買意思決定に、経済合理性が重要視されること
4.購買意思決定のプロセスが複雑で、決定まで時間がかかること
5.取引金額が大きいこと(ケースにもよるが、部品等ではロット単位での契約になる)
6.顧客側には予算計画があり、それに基づいて購買されること(予算の無いところにどんなに素晴らしい提案をしても、通常は相手にされない)
7.顧客数が限定される(大企業の法人担当の場合、自分で担当するのは数社であることが多い。但し相手先が大きければ、提案範囲はその支店や営業所まで及ぶ)
8.取引関係が長く続く(自分が外れても、他の担当者へと続いていく。当然相手の担当者も定期的に変わっていく)
こうした傾向は、あくまでも法人営業に特徴的にみられるものであり、消費者向けビジネスにおいても、全く当てはまらないわけではない。同時にこうした特徴は、先に述べた法人営業の魅力に直結する。このような特徴から、法人営業に求められるスキルとしては、
1.購買関係者だけでなく、その他の部門とも関係性を構築する熱意とコミュニケーション能力。
2.製品知識、又それを補完する為の、社内調整能力
3.値引きや仕様変更等のように、顧客との駆け引きを行うことが多い為、近視眼的にならず、遠くを図る能力
が考えられる。次回は法人営業の一般的なプロセスと、問題点を検証していこうと思う。
渡邉仁志
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