民主党鳩山政権が誕生して、25%CO2削減は、世界中から絶賛されている。(一部冷やかな首脳もいたが・・・)
しかし、ダム問題、高速無力化他、マニュフェストに掲げたことを実現するには、指摘されている財源問題をはじめ、決してハードルは低くない。是非、頑張ってほしいと期待する。
ネクスト・マネジメント・ラボラトリーは、次世代の経営を研究する会であるが、次のマネジメントに考えると同時に、変わらないものは何か?を確認することも重要だ。そうすることによって、これからのマネジメントは、何を足し算しなければならないか?何を引き算しなければはならないか?が浮き彫りになる。
組織の長は、引きずり降ろされる運命が待っている。政権を明け渡した最後の自民党総裁麻生太郎氏の支持率が下がるにつれ、自民党内部での動きも活発になってきて連日、「反麻生の会合か?・・・」といった見出しの報道がなされた。毎回、短期間で繰り広げられる自民党内部で、総裁降ろしである。どうして、こうしたことが起きたのだろうか?確かに、総裁自体の問題はあるが、組織の観点から考えてみたい。
個人の無意識層の研究で有名なのはフロイトであるが、集団の無意識層の研究で有名なのはイギリスの精神分析学者ビヨンW.R.BIONである。
ビヨンセオリーは難解だが、簡潔に説明すると集団は2つの目的を追及していると言っている。
1.Work Behavior(生産的行動)
2.No Work Behavior(非生産的行動)
集団において、うまくいかなくなることが起きると、以下のような無意識での非生産的行動となって現れる。
①依存/反依存
リーダーを頼りにすると同時に、やがて、そのリーダーに反発を覚えるようになる。
②分派行動(ペアリング)
集団内に派閥が形成される。
③闘争/逃避
集団内部で相互に攻撃が始まったり、逃避行動が発生する。
こうした行動は、全く生産性を高めることにはならない。
そして、ビオンは、集団はリーダーを祭り上げるが、リーダーになった途端、祭り上げたと同じ集団が、今度は、引きづり降ろす行動を取ると言っている。
こうした理論を知っていたか、或いは、経験的に理解していたかはわからないが、中国の歴史的指導者の故周恩来は、絶対NO1の地位につかず、NO2に徹したと言われている。
映画でいえば、ジャックニコルソンが主演したアカデミー賞作品の名作「カッコーの巣の上で」は、精神病院を舞台にした集団が無意識に取る行動が、まさに、ビオンの集団の無意識層に基づく行動を描写していて面白い。
ここ数年、目まぐるしく入れ替わった自民党のトップを見ていると、一見問題意識を持って議論をしているように自民党議員は考えているかもしれないが、実は、無意識にNo Work Behavior(非生産的行動)を繰り返しているようにも見える。トップを批判しても、一向に政策は進まない。
組織の長は、こうした集団心理を十分に踏まえた上で、リーダーシップを発揮しなければならない。
鳩山総理も例外ではない。人間集団が持つ本質だからだ。冒頭に書いたように、こうした集団・組織のマネジメントは、人間が集団を形成した大昔からおそらく変わらないだろう。鳩山総理の今後のリーダーシップに期待したい。
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