多少、景気が回復傾向にあるといっても、日本を代表するエクセレントカンパニーもトヨタをはじめまだまだ厳しい。そして、それ以上に厳しいのが中小企業だ。
昨年のリーマンショックなど、グローバル企業は、為替や世界情勢の影響で自社ではコントロールできない要因により業績は左右される。そして、それにぶら下がっている中小企業も右に習えである。そうした中で、トヨタは、昨年役員賞与カットなどを行った。当たり前のことであると思うが、世の中には、そうした当たり前のことをしていない企業も多い。従業員の給料を減らして、自分の収入を確保する経営者も多い。
最近、社会的責任(CSR)を掲げている企業も多い。企業によっては、テレビコマーシャルまでやっている。テレビコマーシャルするようなことか?と思うが、宣言することで、自組織のメンバーへのメッセージと考えればわからないこともない。
有名な話でありご存じの方も多いと思うが、東京オリンピックの後、業績が落ち込んだ後、Panasonic(旧松下電器産業)の創業者松下幸之助さんの対応を思い出す。熱海で行われた全国販売代理店社長懇談会での幸之助さんの挨拶は、
「結局、松下電器が悪かった。この一言に尽きます。これからは心を入れ替えて出直すので、どうか協力してください」と涙ながらに話、閉会にあたっては、「共存共栄」の色紙を一人一人に渡した。幸之助さんは、この会で、なんと13時間にわたり、壇上で代理店の深刻な話に耳を傾けたという。まさに、名経営者と言われるだけのことはあるエピソードだ。
昨日は、「日本で一番大切にしたい会社」の著者である法政大学院政策創造科の坂本光司教授のお話をお聞きした。名前は、オープンにしないが、最近の日本を代表する企業(経団連○○の企業)や冒頭に日本を代表する企業として例に挙げたトヨタも障害者雇用促進法を守っていないとのことであった。上場企業で一番比率が高いのがユニクロであるとのことだ。
また、大企業と中小企業の生産性、給料をはじめとする格差についても、坂本教授の本でも紹介されているが、まさに、中小企業の上に大企業が成り立っていることは、多くの人が実感することだろう。
しかし、本当にこんなことが、長続きするだろうか?そして、障害者雇用促進法を守らない、あるいは、中小企業に無理な要求をし続ける企業は、日本を代表する企業と言えるだろうか?そうした企業に限って、社会的責任(CSR)を掲げていたりする。
言っていることとやっていることが違う企業は、これからは評価されない。次世代において長年に渡って評価される企業は、難しい話ではない。「言っていることと、やっていることが一致している企業」であると思う。そんなことをNEXT MANAGEMENTとしてあえて言うのもおかしな話ではあるが、最低限のことができていない現状を考えると、まずは、当たり前のことを当たり前にすることから始めなくてはならない。
これからは、日本を代表する企業と聞かれたときに、単に売上や利益といったことで挙げるのではなく、障害者雇用促進法を守り、協力会社にやさしく、且つ、利益を上げている企業を応えるようにしたいと思う。
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